方針
最近のお問い合わせの内容などから、手作り指輪の店のサービスも異なる方向性に向かっていると実感しています。
そこで、今回は、リンプラの方針に当てはめた「手作り指輪のメリット・デメリット」をカンタンにご紹介します。
メリット
- 指輪のデザインに納得できる。
- つけ心地が安心。
- 制作途中で予算アップすることはない。
- アフターメンテナンスも安心。
- 世界に1つだけの指輪が手に入る。
- 2人でやり遂げた達成感を味わえる。
- 既製品にはないオリジナルの指輪なので比較されない。
など、このあたりのメリットは、ほかと同じような内容だと思います。
指輪を選ぶ時に、「既製品を購入する」・「オーダーをする」・「自分で手作りする」という3つの選択肢があることが、これからの時代だと考えています。
想いや、意味のある指輪が、これから先もずっと身につける価値のあるものとして、満足して安心できる選択をしていただきたい、という願いが有ります。
デメリット
『指輪の価格を安くしたい(安ければ安いほどよい)から、自分で手作りをする』
この考え方には、全く賛同できません。
まず、手作りの場合には、手先の器用・不器用にそこまで影響はないです。と言いたい。
手作りは、金属から指輪を作っていく鍛造(たんぞう)と、ロストワックスと呼ばれるロウ材を削って指輪の原型を制作する鋳造(ちゅうぞう)のどちらかになります。
一般論としては、鍛造は、金属を加工するので硬く変形等の心配が少ないですが、加工はその分難しく繊細なデザインには不向き。
鋳造はロウ材を加工するのでデザインの自由度が高くなります。
基本的には、鍛造も鋳造もやり直しは出来ます。ただ、それは店の方針というだけ。
例えば、指輪の内側にメッセージを入れる作業も本人たちでも可能です。
ただ、細かい部分ですし、手直しをする手間を考えれば、最初から職人やレーザー刻印にすれば無難に終わります。
お願いする方も綺麗な方が良いですから、自分たちで挑戦したいという気持ちが弱ければ、納得されるはずです。
ただし、宝石を留める作業は、職人にお願いをしましょう。
『手作りされる方が基本的には主体性をもって行動する』
結局、どこまで店側がサポートをするつもりがあるのかどうか、しかない。
サポートにも色々やり方があります。
手作り指輪の価格に含まれる基本料金などの項目は、店によって異なります。おそらく1万円~3万円位。
その価格設定は、サポートすることに対しての対価となるはずですから、安いとなれば安いなりのサポートとなるでしょうし、高ければ高いなりのサポートがあると思います。結果的に、そのサポートのねらいがどこにあり、そこに導いてくれるかどうか。単に作ることが目的なのか、それとも作るという工程の中に、色々と学ぶものがあるのかなどは、表面的な部分からでは、その違いはわかりにくいと思います。
そこにこだわりたい方は、2,3軒足を運んで、自分たちが一番気に入ったところを選ぶことをおすすめします。
あと、毎日、一生身につける指輪ですから、細めの指輪にして材料費を抑えて価格を安くすることをおすすめしているところがありますが、賛成できません。
細めなら、正直、手作りにこだわるメリットはあまりありません。最初から、既製品を選んだ方が良いです。
0.1mmの世界
自分たちで手作りすると、直線や曲線のラインに若干の歪みができたり、表面に凹凸ができることはあります。
しかし、ジュエリーとくに指輪は0.1mmの世界です。
ひと目につくときには、身につけていますから、その若干の歪みが分かる人はそうそういません。
手作りの風合いとは、野菜の規格外のように、すぐにわかるということはありません。
何が言いたいのかというと、皆さんの「完璧」のイメージは、既製品のような高品質の指輪とイコールのようですが、これが間違いであると言いたい。
既製品だろうと、手作りだろうと、最終的には職人さんによって完成するのです。
つまり、高品質は店の方針によって異なるということです。
また、高品質で安いというのは、国内で作っている場合には、限界があります。
高いからといって、高品質ということもまた違うのが、このジュエリー業界(実際は他業種がジュエリーを扱い販売しているところが多い)の難しいところ。
最後に声を大にして言いたい。
ワックスでの原型制作は、比較的カンタンにお店に導入ができるサービスだということ。
つまり、ブライダルジュエリーを扱っている店にとっては、既製品の売上が下がっているところでは、この手作り指輪を始めるところもあります。
店や工房が大規模だろうと、中・小規模だろうと、その店や工房はどんな人がいるのか、雰囲気はどうか、どんな指輪を作っているかで、品質も価格も、アフターメンテナンスも異なるということです。