ブライダル
現在、手作り指輪はブライダルジュエリーに分類されています。もちろん、リンプラも婚約指輪や結婚指輪が柱となっているのでブライダルジュエリーに属しています。ブライダルに属する理由のひとつとして、手作り指輪が持つ魅力(供給)とそれに共感する顕在ニーズ(需要)のバランスが取れているのが、ブライダルだと考えます。
一生の大切にするものだからこそ、世界にたったひとつの指輪は自分に相応しい、自分が満足できるし、思い出も残せるとして年々増加傾向で推移しています。最近では、顕在化しているニーズに対して、全国どこでも手作りすることが選択できるように専門店も増えてきました。その反面、今までの支持されてきた既製品(量産品)はブライダルジュエリーの中でも苦戦が続いているという事を耳にしました。
左手の薬指
婚姻件数、関東地域、指輪取得率。そのカップルが持つ指輪はそれぞれ1本。でも、お互い違う店で買うことはないので1組。
これから婚約したり、結婚する人の左手の薬指につける1本の指輪を、現在の既存ブランド店、ブライダル店、百貨店、式場または通販、ネットショップが供給するのですから、そう考えると月並みの言葉ですが、市場はかなりの激戦区です。
大手企業、中小企業、個人も存在しています。自分がブライダルジュエリーに関わるが故に、身内や親戚、友人や知人には口に出さずとも、その時には声を掛けて欲しいと望む気持ちもあります。それを声を大にして言いにくいのは性格、気質なのですが(笑)
結果として、事後報告でプロポーズ成功して婚約しました!本日、入籍しました!と近況報告は嬉しいのですが、気になるのは「指輪はどうしたのかな?」ということです。
しかし、その時点ではすでに、「結婚指輪は、まだないんですよ。」ってことはほとんどなく、大抵は「気に入ったものがあったので購入しました。」という結果になります。正直、それはそれで二人が決めた事なので、自分に声が掛からないことは仕方のないことと割り切っています。ただ、中にはお逢いした際に、「この指輪にしたんですよ、どう良いでしょ」ってわざわざお披露目と選んだ理由を話してくださる方もいます。もちろん、選んだ理由を聞けば、どんな想いがあり、工程があったのかは参考になります。でも、ブランドやデザインを強調されると、さすがに内心では返答に困ってしまいます。
自分の技術を活かす機会
手作り指輪は、既製品やオーダーとは違い、本当に良いものの価値観が違います。これまで、カップルの方に指輪の質問をしてきて、最終的に最良の方法は手作り指輪である。これが自分の答えなのです。だから、自信を持って手作り指輪をおすすめしている訳です。結婚するから、結婚指輪は必要なものだからという、結婚イコール結婚指輪だけでは、本当の意味での身につける喜びは味わえません。もちろん、その方の指輪選びを聞けば、おふたりにとって最良の選択だったと思えるのですが、そのレベルで満足されていることに、残念に思うのです。
「自分なら、おふたりにとって、もっと良い体験をして頂くことができたかもしれないのに…」
ブライダルに関わる人は、皆同じでしょうが、その方のブライダルを迎えた時にしか、自分の技術を活かすことができないのです。言い換えれば、その時に関われなければ何の役にも立てないのです。だからこそ、その想い強くなるのは自然な事だと思っています。
痛みが分かるから想いが大切
そんな胸の内を、職人ガッキーに伝えた事がありました。「自分の友達も、結婚指輪はブライダルジュエリーショップで購入していますよ。こればっかりはふたりで決めた事なので仕方がないことだと思ってます。」って言葉が返ってきた。
その時に、自分のことが恥ずかしいというか、ガッキーの立場だったら、自分はもっと辛い想いをしてると知りました。結局、ブライダルジュエリーショップを選ぶのは、おふたりの選択だから仕方はない。知人の職人に大切な指輪を任せられない。これってすごく酷ですよね。そんな出来事を毎回気にして落ち込んでいたら、続けていけませんから割り切りが必要です。
どうせ、割り切るならいい方向に考えたい。その痛みが分かるから想いを大切にしたい。この仕事に対して、想いをもって取り組む。その期待に最大限応えること、さらに、期待以上に喜んでもらえることが自分たちの役割である。最後に「ここで良かった」と言われたい。
手作りに興味を持ってくれたことに感謝して、手作りの魅力と指輪を身につける楽しさと喜びと幸せを最大限伝えます。楽しいだけではない、手作り指輪がリンプラのやり方は、外側に依存するのではなく、自分の内側と向き合えることができます。内側にあるものとは愛なのです。普段は忙しさの中で内側と向き合う時間はなかなか作れません。でも、本当に大事なことや純粋な想いは外側ではなく、内側にあるものなのです。
リンプラを選んで頂いたという事は、その方たちの想いを引き受けるのですから、妥協はしません。それが感謝への報いだと思っていますし、自分たちにしかできない技術だと思っています。
「想いをカタチにする」
マニュアルや世間が作った常識にこだわらず、その方の自由な発想を最大限叶えることができる工房を目指します。そして、この工房で作る婚約指輪や結婚指輪がこらから始まるふたりの新しい人生の道しるべのアイテムとなるように願っております。